アシタツ&BunKan 出演情報<10/22 第18回天満音楽祭>出演

来る10月22日(日)に開催の、大阪・天満音楽祭に、ヒーリング・ホイッスル&マンドリン デュオ“アシタツ&BunKan”、出演いたします。

(出演日時・場所)
第18回天満音楽祭
10/22(日)
【出演場所】フラットフラミンゴ(JR天満駅すぐ)
【出演時間】15:00~15:20

詳細は、天満音楽祭のホームぺージをご覧下さい。
ご来場、お待ちいたしております!

天満音楽祭 http://ten-on.jp/

tag : 天満音楽祭

2017秋・コンサート満喫旅~1日目・喜多郎さん&岡野弘幹さん 京都天文台野外コンサート

 10/7より10/9までの3日間、喜多郎さんと宗次郎さんのコンサートに行って来ました。

(旅とコンサートの日程)
10/7(土)喜多郎さん:京都・花山天文台野外コンサート(ゲスト・ミュージシャン:岡野弘幹さん)
10/8(日)宗次郎さん:滋賀県甲賀市・あいこうか市民ホール
10/9(月)宗次郎さん:滋賀県彦根市・みずほ文化センター

 3日間連続で、それもニューエイジ音楽の大御所の生演奏を満喫するという贅沢な旅でした。
 旅とコンサートの様子をブログ記事にまとめます。

 まず1日目、喜多郎さんの京都・花山天文台野外コンサート。喜多郎さんのコンサートは、8月の福知山でのコンサート以来2か月振りでした。

 この花山天文台野外コンサートは今年で五回目とのことでしたが、昨年までは抽選制でした。(ちなみに昨年は申し込んでいましたが、外れてしまいました)でも、今年はチケット購入制に変わり(参加協力費という名目で)、チケットさえ入手すればだれでも聴きに行けるようになったので、無事参加することができました。
 花山天文台という所は、京都大学の研究所の天文台で、できてから88年という、歴史のある天文台です。
 しかし、資金難から閉鎖の危機があり、所長の柴田一成教授と親交のあった喜多郎さんが、一肌脱いで野外コンサートを実施し、資金難の天文台を応援しようという趣旨からイベントが始まり、今年が五年目とのことでした。

 メインのプログラムは、福知山コンサートでも披露された、映像ライブ『古事記と宇宙』なのですが、そのプログラムの前にミニコンサートとして、喜多郎さんとともに、日本のアンビエント系音楽の代表的アーティストである岡野弘幹さんが、2人でジョイントライブを行うことになっていました。

 実は、岡野弘幹さんのお名前は知っていて、天空オーケストラなどで世界的に活躍されておられることは、存じ上げていたのですが、YouTubeでインディアンフルートを演奏されている動画を見たことがある程度で、本格的にちゃんと聴いたことがなかったので、この日は、初めて岡野さんの生演奏に触れられるということで、ジョイントライブの方も、特に楽しみにしていました。

 コンサートは夜19時からスタートでしたが、少し早めに行きました。
 前日が、かなり雨が降ったので、この日のコンサートも雨が心配でしたが、昼からは雨も止んで少しずつ晴れて来てはいましたので、何とかコンサートの間、天気が持つようにと願いつつ、会場へ向かいました。

 京都の地下鉄・蹴上駅からシャトルバスに乗るのですが、駅を出ると、コンサートへ向かう人の列ができていたので、並んでバスの順番を待ちました。蹴上駅では、雲間から少し晴れ間が見えてきていたので、うまくいけば星も見れるかもしれないと、期待しつつバスに乗り込みました。

 天文台は、京都市山科区の山の上にあります。
 バスを降りて、街の方を見ると、京都市街の夜景の光が美しく輝いていました。
DLhpD4BVAAA63y1.jpg

 ところが、ふもとでは雨は止んでいたのに、この天文台の山上では小雨が降ってきていました。
 困ったなあと思いつつ、開演までの間、天文台の施設を見学したり、終演後のサイン会用に、物販コーナーで喜多郎さんと岡野さんのCDを購入したりして待つことにしました。

※天文台は美しくライトアップされていました。
DLhpPP8UQAA8DZ9.jpg

※天文台(別館)の中の様子を見学できました。こんなに大きな望遠鏡は初めて見ました。
DLhrIiqVYAIa5Sa.jpg

※コンサート会場は、天文台前の広場。喜多郎さんのシンセサイザーがセットアップされていました。
DLhppCNUMAAWAKh.jpg

 雨は通り雨だったらしく、開演の頃には止みました。でも、空は雲に覆われ、月や星は見えていませんでした。

 コンサートが開演し、まずは、岡野弘幹さんのインディアンフルートのソロで始まりました。
 天文台の上の方のバルコニーに登場されたのがサプライズな演出でした。(その後の曲間MCで、空がとても近く感じましたと岡野さんはおっしゃっておられました。あんなところで笛の演奏が出来たら、気持ちいいだろうなあ…と羨ましかったですw)

 夜空に澄んだインディアンフルートの音色が響き渡り、足元では虫が鳴いていました。
 素晴らしい環境でした。

※コンサートのオープニングで演奏された、岡野弘幹さんの曲『PEACE ON EARTH』
(DomoMusic 公式チャンネルより)

 ちなみに物販では、この曲収録の岡野さんのCD 『RETURN TO THE SOUL』を購入しました。

 その後、喜多郎さんが登場。シンセサイザーソロで演奏され、岡野さんも天文台のバルコニーから降りてきて、ステージに登場されました。
 一旦喜多郎さんは、舞台袖に引き上げて、岡野さんのソロ演奏で、先述のアルバム『RETURN TO THE SOUL』より、「Rimpa : Cosmos」を演奏されました。岡野さんのインディアンフルートの音色は、透明感があって美しいです。生演奏が聴けて、とても良かったです。

「Rimpa : Cosmos」(DomoMusic 公式チャンネルより)


 喜多郎さんが再びステージに登場し、二人のジョイント演奏が始まりました。
 岡野さんは楽器をブズーキに持ち替えて、喜多郎さんのシンセサイザーとのコラボ演奏が披露されました。

 曲が盛り上がり、喜多郎さんもシンセからパーカッションに移り、躍動感あふれるリズムを奏でられました。
 二人の息の合った見事なパフォーマンスでした。

 演奏が終わり、お二人が来場者に挨拶を行いました。

 喜多郎さんが岡野さんに、この日のコンサートの出演の声かけをされたことや、岡野さんがアメリカの喜多郎さんのスタジオを訪れた際、今までに見たこともないような素晴らしい満天の星空を見ることができたこと、そして、憧れの存在の喜多郎さんと共演できたことの喜びを語られました。岡野さん、本当にうれしそうで幸せそうでした。きっと、最高の気持ちで喜多郎さんと一緒に演奏出来たんだろうなと思います。そんな幸せな気持ちが伝わって来ました。

 休憩をはさんで、この日のコンサートのメインイベント、映像ライブ『古事記と宇宙』が始まりました。

 この『古事記と宇宙』は、福知山コンサートの時のブログ記事にも書きましたが、天文好きの喜多郎さんが、京都大学花山天文台を訪れた際より親交が始まった、所長の柴田一成教授が、喜多郎さんの代表作アルバム『古事記』を聴いて、非常に感銘を受け、そして『古事記』の曲を聴いているうちに宇宙の様々な映像が目に浮かび、コラボレーションを思いついて企画・制作されたDVDです。

 その映像を、この日は天文台の外壁に投射して上映し、喜多郎さんがシンセサイザーで生演奏を繰り広げるというコンサートでした。
 福知山コンサートの際は、『古事記』の5曲目「嘆」の代わりに、『空海の旅5』の「雲海」が演奏されましたが、この日は「太始」から「黎明」までの全曲を、完全披露するプログラムとなっていました。

 喜多郎さんのYouTube公式チャンネルで、DVDのデモ動画が公開されていますので、それを紹介しつつ、コンサートの時の感想を書こうと思います。


『古事記と宇宙』

①「太始 Hajimari」(宇宙・銀河の創生のCG映像)

※先述の通り、映像を天文台の外壁に投射しますので、窓のある所が少し見にくくなっていましたが、意外とすぐに慣れました。この動画はDVD版ですが、この日の実際のライブ演奏では、違うアレンジになっていました。福知山の時と同じアレンジだったので、コンサート用に用意された特別音源なのだと思います。 

②「創造 Sozo」(太陽系の惑星の映像)

※この日のライブは、喜多郎さんただ一人で演奏するスタイルだったので、主旋律を演奏するシンセサイザーの音以外は、(伴奏の)音源を流しながらのライブでした。その点では、福知山の時と同じですね。

③「恋慕 Koi」(天の川・星団・星雲などの映像)

※この曲の演奏時に、驚くことが起こりました。この「恋慕」という曲は、古事記・日本神話のミコトとクシナダヒメの恋物語を描いた、とてもロマンチックな曲なのですが、サビの美しいメロディーの、曲が最も盛り上がったところで、ずっとそれまで雲がかかっていた月が、サァーと雲が晴れて、一瞬ですが姿を現し、月光がステージの喜多郎さんを照しました。客席に驚きが広がりました。まるで、曲のドラマチックな響きを聴いて、月がそれに応えたかのようでした。「恋慕」の演奏が終わると、再び月は雲に隠れてしまいました。

④「大蛇 Orochi」(太陽のフレアやコロナ・プロミネンス爆発の映像)

※この曲は、ヤマタノオロチ伝説を描いた曲なのですが、『古事記と宇宙』の映像の中でも、特に音楽と映像がマッチした曲だと思います。暴れ狂うオロチと、太陽の炎のイメージがピッタリでした。映像も音楽もとても迫力がありました。

⑤「嘆 Nageki」(オーロラの映像)

※福知山では演奏されなかった曲でしたので、この日は喜多郎さんの生演奏で聴くことができて良かったです。先述のように、伴奏を流して、メインパートを喜多郎さんがシンセで生演奏するスタイルなので、映像とピッタリ合わせるために、メロディーの入りのところは元の音源のままでタイミングをとって、次の小節の切れ目から、生演奏で入る形をとっておられるようでした。

⑥「饗宴 Matsuri」(日食の様々な映像)

※この曲は、天照大神の天の岩戸の伝説をモチーフにした曲で、岩戸に隠れてしまった天照大神を、祭りの音楽・踊りで気を引いて外に出てきてもらうという有名な物語ですが、この曲の演奏時に奇跡的なことが起こりました。「恋慕」の時に一瞬姿を現した月でしたが、その後はすっかり雲に隠れていました(あたかも岩戸に隠れた天照のように)。ところがこの曲の最高に盛り上がった所、物語でいうと、天照大神が岩戸から出てくる場面で、もう完全にシンクロして、再度雲が晴れて月が輝きました。音楽が描く物語内容と完全に一致した、あまりのドンピシャなタイミングで、鳥肌ものでした。

⑦「黎明 Reimei」(人類が今までに歩んできた宇宙との関わりの映像)

※岩戸から出てきた天照大神の光によって、世界に平和がもたらされるシーンを描いた感動的な曲ですが、先ほどの「饗宴」で雲(岩戸)から姿を現した月(天照)に応えるかのように、この「黎明」で、ぐんぐん雲が晴れていき、星空が広がって行きました。まさに曲のストーリーを、天文台上空の夜空が再現しているかのようでした。自然条件が、完全に喜多郎さんの演奏に合わせて、月や星が輝いたのは、もはや驚きや感動を越えて、もう奇跡的な光景でした。あたかも、喜多郎さんが月や雲をも、音楽で操っているかのようでした。すごいものを見てしまったという感じでした。

 この『古事記と宇宙』、福知山コンサートの感想でも書きましたが、本当に凄い映像ですので、宇宙や天文が好きだったり、興味のある方は、必見の価値があると思います。
 アマゾンでも販売されていますので、気に入った方は、ぜひチェックされてみてはいかがでしょう。

DVD『古事記と宇宙』
←クリックするとAmazonの商品ページに飛びます。

 月や雲、星をも融合させてしまう、喜多郎さんの野外コンサート。
 やっぱり喜多郎さんは凄いお方でした。

※コンサート終了時のお月さま。ほんと、こんな奇跡的なことって起こるんだなと思ったコンサートでした。
DLicXBBU8AAcGxQ.jpg

※コンサート終演後、ステージの喜多郎さんのシンセサイザーを、間近から見ることができました。
DLidFBKVoAAXcR-.jpg

※これが喜多郎さん愛用の、アナログシンセサイザーの名機です。このシンセの音で、グラミー賞をとられたのだと思うと、神々しさが漂っているように思えました。
DLidv_dV4AA8VXi.jpg

※アナログだけでなく、デジタルシンセも使われておられます。尺八系の音やコーラス系の音を主に奏でておられました。こんなに間近に、喜多郎さんのシンセサイザーを見ることができたのは、すごくラッキーでした!
DLifWBrVAAAc2J6.jpg

 コンサートの最後には、来賓の門川京都市長や京大総長が挨拶されました。喜多郎さんと岡野さんもステージ上で並んで最後の一礼をされて、コンサートは終演となりました。
 最後に司会の方が、来年もぜひ、ここで再び皆様とお会いいたしましょうと、挨拶して締めくくったと思ったら、門川京都市長が「来年も、来たろう!」と、ダジャレで締めくくって、喜多郎さんもみんな笑ってましたww

※コンサート終演後には、サイン会がありました。開演前に購入した、喜多郎さんのCDと岡野さんの最新アルバムに、サインしていただきました。
DLi3EIOU8AUedUH.jpg

 サイン会では、喜多郎さんと岡野さん、其々挨拶できました。
 喜多郎さんには福知山以来の再会の喜びをお伝えできて、握手していただけました。岡野さんは初めてお目にかかりましたが、すごくカッコいいお方でした。(実は岡野さんも大阪を拠点に活動されていて、しかも、後で調べたら僕と同じく大阪芸大出身と知り、すごく親近感がわきました。尊敬します!)

 お二人とも気さくで笑顔が素敵でした。とてもいい雰囲気のサイン会でした!

 この時に、岡野さんにサインしていただいたアルバム『RETURN TO THE SOUL』。家に帰ってきてから何度も聴くほどに気に入りました。インディアンフルートの澄んだ音色を堪能できる素晴らしい作品です。

 以下で試聴・購入できますので、おススメいたします!
『RETURN TO THE SOUL』 Hiroki Okano
(試聴・デジタル配信)https://itunes.apple.com/us/album/return-to-the-soul/id1134775860
(amazon)https://www.amazon.co.jp/RETURN-SOUL-岡野弘幹

 喜多郎さん&岡野弘幹さんの天文台野外コンサートの感動が心に残った状態で、滋賀県に向かいました。翌日からの二日間にわたる、宗次郎さん滋賀公演に備えて、宿は滋賀県の野洲にとりました。

 こうして感動的な、秋のコンサート満喫旅・1日目が終わりました。
 
 さらに、翌日からの宗次郎さんのコンサートへの期待に、胸はずむ思いで宿に到着しました。


 “2017秋・コンサート満喫旅~2日目・宗次郎さん滋賀県甲賀市コンサート”につづく

tag : 喜多郎 岡野弘幹 花山天文台

宗次郎アルバム第10作『木道』レビュー

宗次郎オリジナルアルバム第10作
『木道』
※タイトルをクリックすると、Amazonの商品ページに飛びます

ポリドール移籍&初のセルフ・プロデュース・アルバム。
“木”をテーマにした、自然三部作第1弾。

発売日:1991.10.10(ポリドール)

プロデュース:宗次郎
作曲:宗次郎
編曲:坂本昌之


<レビュー>
①故郷の原風景
 『木道』以降の、宗次郎さんセルフ・プロデュース作品の中で、高い人気を誇る代表曲。コンサートでも、必ず演奏曲として取り上げられている。
 以前聴きに行ったコンサートのMCで、宗次郎さんが、この曲は藁葺き屋根の民家があるような、そんな美しい日本のふるさとの情景を表現したいと思って作った曲、と話されておられたのが印象に残っている。
 5音音階の、わかりやすい覚えやすいメロディーの曲で、1度聴いたら耳にしっかりと残る、親しみやすい名曲である。

②星降る夜に
 イントロのウィンド・チャイムの音と、まるで流星を連想させる、流れるようなオカリナのメロディーが印象的。
 パーカッションの音を効果的に使った軽快なアレンジも秀逸。
 オカリナの主旋律も、速いパッセージから流麗なメロディーへの流れと、スタッカートのサビのメロディーとの対比が見事で、作曲家としての宗次郎さんの力量の素晴らしさを感じとることができる。

③月の下で
 イントロがちょっと演歌っぽいwシンコペーションが連続するサビのメロディーが秀逸。
ちなみに、この曲のAメロの出だしを、ゆっくりめのテンポでレガートに演奏すると、「道」(アルバム『フォレスト』の曲)っぽくなる。
 “木”がテーマのアルバム『木道』だが、序盤に星や月の曲が連続しているのは、夜の星明りの下での、森の木々の姿を描いているのかもしれない。

④森を歩きながら
 クラリネットファゴットといった、木管楽器の音が印象的なアレンジで、アコースティックな響きを楽しめる良曲。
 ストリングスのピチカートの音が、森を楽しく歩いているような気分を与えてくれる。
オカリナ・ソプラノ管の音色と、スタッカートを多用したメロディーとが、とてもマッチした素晴らしい作品。アレンジも見事。

⑤木道
 マリンバによる、ミニマルっぽいフレーズを使ったアレンジが素晴らしい。すくすくと伸びて行く“木”の姿を連想させる。
 この曲のメロディーは、このアルバムの中では、わりと覚えにくい感じのメロディーラインなので、一度聴いただけだと印象が残りにくいかもしれないが、聴けば聴くほどに味が出てくるタイプの曲。(いわゆるスルメ曲)
 何度も聴いていると、“木の道”のドラマチックな物語を描いた曲だと感じられるようになってくる。

⑥大気
 傑作。個人的にはもっとこの曲を、コンサートで取り上げてもらえたらと願っている。日本的なニューエイジ音楽の傑作。(もしコンサートで演奏されるとしたら、和太鼓を取り入れて演奏されたら、素晴らしいだろうなとイメージしている)
 この曲からは、“侘び寂び”を感じられる。特にイントロ部のオカリナ・ソロが好き。
 宗次郎さんのオカリナの音色は、この曲のように、日本的な美しいメロディーを演奏する時、最も強い魅力が発揮されると言える。

⑦無垢
 イントロが昭和の歌謡曲っぽいwBメロのオカリナのハモリが印象的。
 イ短調のメロディーではあるが、暗さはなく、6拍子系のリズムで、わりと動きを感じられる旋律の曲。

⑧森に生きるものたち
 なぜかコンサートなどで演奏されることはなく、宗次郎さんの代表曲とみなされることもまずないが、素晴らしい名曲。ニューエイジ音楽の傑作。個人的には、アルバム『木道』の中で、この曲が一番好きだったりする。
 小鳥のさえずりのSE(シンセによる効果音)から始まるイントロも秀逸。坂本昌之さんによるシンセサイザー・アレンジが素晴らしい。
 シンプルだが力強いメロディーラインが、“森に生きるものたち”の息吹や生命の鼓動を伝えてくる、見事な傑作。

⑨感謝の歌
 弦楽やピアノといったアコースティックな響きにのせて、宗次郎さんのオカリナが軽やかなメロディーを奏でる。
 このアルバムの中では、4曲目と並ぶアコースティック路線の曲となっている。

⑩安堵の風景
 比較的長めの曲。ゆったりとしたメロディーが、落ち着いた安らかな雰囲気を醸し出す。
 後半は、ドラムやエレキギターも加わり、一層の盛り上がりを見せる構成となっている。
 どうやら、宗次郎さんご自身、この曲がお気に入りのようで、コンサートで演奏されることが多い曲である。

⑪大地に生きる
 オカリナのみの多重録音で構成された曲。
 前曲が盛り上がった後で、エピローグ的にこの曲が配され、静かに落ち着いた雰囲気で、アルバムが終わるように構成されている。
 オカリナのみの曲にも関わらず、どこか力強さも感じさせるようなメロディーである。大地に生きる(植物も動物も)すべての生命に捧げられた賛歌のように感じる。


<総評>
 宗次郎さんがサウンドデザインから独立し、ポリドール移籍後初の、セルフ・プロデュースによる作品となった記念すべきアルバム。
 発売日も、宗次郎さんの37歳の誕生日に発売するなど、深い思い入れを感じることができる。
 宗次郎さん自身の作曲による曲を聴けるという点では、『心KOKORO』以来となる。宗次郎さんがずっと温めてきたアイデアやメロディーを、大切にカタチにした作品であると思われ、まさに結晶という言葉がピッタリの珠玉の名作である。
 編曲も『心KOKORO』以来のタッグとなる、坂本昌之さんが担当している。また、ストリングス・アレンジを、大河ドラマ『真田丸』など数々の映像音楽等で知られる服部隆之さんが担当したことで、楽曲の洗練度も増している。
 「故郷の原風景」など、現在のコンサート活動でも頻繁に演奏されている名曲が収録されており、のちの『風人』『水心』とともに自然三部作を構成し、宗次郎さんの代表的なアルバムの一つとなった。
 個人的にも、『木道』は、初めて買った宗次郎さんのアルバムであり、思い入れや想い出も深い作品である。

☆以下のサイトで、全曲試聴およびダウンロード購入ができます。
レコチョク


オカリナ奏者宗次郎・CD総目録


☆アルバム『木道』より「故郷の原風景」を、ヒーリング・ホイッスルでカバー演奏しました。
YouTubeで公開中です。よろしければ、ぜひご覧下さい。
        ↓
【ヒーリング・ホイッスル】故郷の原風景【宗次郎作品を、ケルトのホイッスルでカバー演奏】
https://www.youtube.com/watch?v=Nq4qHDlhopk

tag : 宗次郎

明日より3日間、喜多郎さん&宗次郎さんのコンサートへ

明日10/7より10/9までの3日間、喜多郎さんと宗次郎さんのコンサートに行って来ます。

3日間連続でコンサートに行くというのは初めてのことで(しかも大御所のお二人の!)、とても楽しみにしています。
日程は以下の通りです。

10/7(土)喜多郎さん:京都・花山天文台野外コンサート
10/8(日)宗次郎さん:滋賀県甲賀市・あいこうか市民ホール
10/9(月)宗次郎さん:滋賀県彦根市・みずほ文化センター

喜多郎さんは8月の福知山以来、宗次郎さんは6月の斑鳩以来となります。
お会いできるのが楽しみです。

コンサートのレポートは、ツイッターにて随時報告いたします!
https://twitter.com/h_ashitatsu

また後日、ブログ記事にまとめたいと思います。


※喜多郎さんと宗次郎さんを混同してしまっておられるお方は、以下の記事をぜひお読みください!
<特別コラム>喜多郎と宗次郎~似てる?似てない?徹底比較!!(前編)
<特別コラム>喜多郎と宗次郎~似てる?似てない?徹底比較!!(中編)
<特別コラム>喜多郎と宗次郎~似てる?似てない?徹底比較!!(後編)

tag : 宗次郎 喜多郎

ケルトのホイッスル&マンドリン・バージョン『オーソレミオ』公開!

久しぶりに、世界の名曲カバーです。

ヒーリング・ホイッスル&マンドリン デュオ
“アシタツ&BunKan”の演奏で、
イタリアのナポリ民謡『オーソレミオ』です。

ティン・ホイッスルによる、カンツォーネの演奏というのは、今まであまりなかったかも?

YouTubeで公開中です。ぜひ、お聴きください!


テーマ : YouTube動画
ジャンル : 音楽

tag : ティン・ホイッスル マンドリン

宗次郎アルバム第9作『フレッシュ・エアー FRESH AIR』レビュー

宗次郎オリジナルアルバム第9作
『フレッシュ・エアー FRESH AIR』
※タイトルをクリックすると、Amazonの商品ページに飛びます

おだやかな作風のアルバム。サウンドデザイン時代最後の作品。
通販BOX商品『こころのうた』第十集「組曲・日本の四季」と同じ曲目・構成のアルバム。

発売日:1991.8.25(サウンドデザイン)

プロデュース:南里高世(TAKA NANRI)
作曲:南里高世
共同作編曲:大沢教和


<レビュー>
①Indigo Blue(『組曲・日本の四季』では「序章」)
 オカリナ・ソロで始まる曲。ニ短調のシンプルだが力強いメロディーが印象的。
 『フレッシュ・エアー』版のアレンジは間奏が長くやや冗長な印象。『組曲・日本の四季』版「序章」の方が、はるかにクオリティーが高いアレンジとなっている。そちらのアレンジでは、シンセサイザーのパーカッション音を非常に効果的に使い、幻想的な仕上がりとなっている。『フレッシュ・エアー』版と『組曲・日本の四季』版とで、最もアレンジが異なるのは、この曲である。

②木漏れ日
 この曲も1曲目と同じく、『組曲・日本の四季』版のシンセサイザー・アレンジの方が良い。
 曲の後半、短調から長調に転調してからのメロディーが、印象的で美しい。

③望郷
 この曲を聴いて、思わず「も~~い~くつね~る~と~」と口ずさんでしまった人は多いかもしれない。何度聴いても、滝廉太郎の曲にそっくりなメロディーである。もっとも、似ているのはAメロだけではあるが…。

④春の想い
 郷愁感あふれる美麗な曲。
 美しい3拍子系のメロディーが秀逸で、耳を傾けていると、じんわりと心にしみていく感じがする。この曲を聴いていて、幾度か涙ぐんでしまったことがある。

⑤陽春
 この曲を聴くと、散り際の桜をイメージする。
 ハラハラと花びらを散らしていく、桜の古木…そんな無常観を感じさせるメロディーと、オカリナの音色がとてもマッチした曲。

⑥夏草
 このアルバムで一番のお気に入り。宗次郎作品での“さわやか系”の曲の典型だが、とても清々しい曲で、青々と風に揺れている草原が、目の前に広がるかのよう…。
 シンコペーションを使ったサビのメロディーが秀逸。
 この曲も『フレッシュ・エアー』版より『組曲・日本の四季』版のアレンジの方が良い。『組曲・日本の四季』版では、パーカッションをうまく使ったアレンジだったが、『フレッシュ・エアー』版のアレンジでは、パーカッションが省略されている。

⑦入江のほとり
 ゆるやかな6拍子系の曲。タイトル通り、夏の昼下がりに、入江のほとりで寝そべって、海に浮かぶ船やヨットをのんびりと眺めているようなイメージの曲。とても牧歌的な雰囲気の曲。

⑧浮雲
 7曲目とは打って変わって、物悲しい雰囲気の曲。
 秋の高い空を流れていく雲を、憂いをこめて見つめているような…そんな哀愁を感じさせる曲。

⑨晩秋
 この曲のイメージは、まさに晩秋の夕暮れ時に、真っ赤に色づいた紅葉の下にたたずんでいるような、静かに沈思するかのような曲調が印象的。
 またまた『フレッシュ・エアー』版より『組曲・日本の四季』版のアレンジの方が良い。特に『組曲・日本の四季』版では、シンセサイザーによる間奏部のアレンジが秀逸。

⑩Fresh Air(『組曲・日本の四季』では「終章」)
 8曲目、9曲目と短調の哀しげな曲調が続いた後なので、この長調のラストの曲には、どこか解放感がある。優しいメロディーラインが印象的。
 曲の後半は、宗次郎さんのオカリナは入らず、オカリナ以外の楽器で余韻を残しつつ幕を閉じる。
 このエピローグの部分では、『フレッシュ・エアー』版ではオカリナっぽい音が入るが、これはシンセによる音と思われる。ちなみに『組曲・日本の四季』版にはこの音はない。
 もし宗次郎さんが、『フレッシュ・エアー』制作時にサウンドデザインに在籍していたならば、わざわざシンセの音でオカリナの疑似音を入れずに、宗次郎さん自身により録音すれば済む話で、その辺りからも、『フレッシュ・エアー』が『組曲・日本の四季』よりも後に作られたものであると推測している。


<総評>
 以前の記事(『フレッシュ・エアー』のレビューの前に触れておきたい、宗次郎さんの幻のアルバム『組曲・日本の四季』)に書いた通り、『組曲・日本の四季』と『フレッシュ・エアー』は、アレンジが異なること以外は、ほぼ同じ内容なのだが、両作共に言えることは、デビュー作『グローリー・幸福』の作風に回帰しているということである。
 静かで優しく、あたたかさが感じられる作品に仕上がっている。
 サウンドデザイン時代の宗次郎さんのアルバムは、『グローリー・幸福』から始まり、次第にスケール・アップして行き、ポップ・ロック路線を経て、再び原点回帰をして、この『フレッシュ・エアー』が最後の作品となった。
 宗次郎さんにとって、この初期・サウンドデザイン時代は、ある意味、南里高世さんの元での修行の時代であったと言えるかもしれない。
 この時代に培ったアーティストとしての活動を基礎にしつつ、サウンドデザインからついに独立し、さらに発展をとげて行く。
 そして次作『木道』からは、いよいよ、宗次郎さんセルフ・プロデュース作品の幕開けとなる。


オカリナ奏者宗次郎・CD総目録

tag : 宗次郎

ヒーリング・ホイッスル(ケルトのホイッスル)版『虫のこえ』公開!

秋の夜と言えば、お月見に虫の鳴き声…。
ということで、童謡唱歌『虫のこえ』をカバーしました。
ぜひご覧下さい!

風流な日本の秋が、大好きです!

『虫のこえ』
文部省唱歌
編曲:アシタツ
ヒーリング・ホイッスル&キーボード:アシタツ


テーマ : YouTube動画
ジャンル : 音楽

tag : ティン・ホイッスル

『フレッシュ・エアー』のレビューの前に触れておきたい、宗次郎さんの幻のアルバム『組曲・日本の四季』

 宗次郎さんの9作目のアルバムとなる『フレッシュ・エアー』。
 実はこの『フレッシュ・エアー』と全く同じ曲収録のアルバムが存在する。タイトルは『組曲・日本の四季』。

 サウンドデザインは、1990年に『イメージス』と並行して、『日本のうた こころのうた』『世界のうた こころのうた』という、宗次郎さんのカバーアルバムを制作した。
 タイトル通り、日本や世界の名曲を、宗次郎さんのオカリナによるカバー演奏を収録、CDとして発売したものだ。

 これとは別に、『こころのうた』CD10枚組セットとして、全161曲収録の完全版BOX商品を、日本音楽教育センター(現ユーキャン)から、通信販売限定商品として売り出した。(市販品の『日本のうた こころのうた』『世界のうた こころのうた』は、この通販商品からの一部ということになる)

 この10枚組通販商品『こころのうた』の第10集が、『組曲・日本の四季』というアルバムである。

 この通販BOXの解説書には、こう書いてあった。
“第10集『組曲・日本の四季』は、この企画のために新たに作られたオリジナル・アルバムである”

 市販では入手できないという、プレミアム性を匂わせるような文面と言える。

 ところが、1991年8月25日に、宗次郎オリジナル・アルバム『フレッシュ・エアー』として、サウンドデザインより一般発売される。
 収録曲は、『組曲・日本の四季』と全く同じで、1曲目と10曲目のタイトルを変更し、別アレンジで市販されている。
 
 『組曲・日本の四季』1曲目の「序章」を「インディゴ・ブルー」に、10曲目「終章」を「フレッシュ・エアー」というタイトルで。
 また、『組曲・日本の四季』ではシンセサイザーをメインにしたアレンジだったのが、『フレッシュ・エアー』では、ピアノやギターといったアコースティック楽器をメインにしたアレンジで、レコーディングされている。

 作品のレコーディングに関しては、『組曲・日本の四季』が先だったのか、『フレッシュ・エアー』が先だったのか、はっきりとは分からない。だが、アレンジが少し違うという点を除けば、曲のメロディーや構成は全く同じであり、少なくとも、通販BOX版『こころのうた』解説書の、“この企画のために作られた”という触れ込みは、嘘だったことになる。

 また、『フレッシュ・エアー』発売日の1991年8月25日という時期は、同年10月10日に発売が迫っていた、初のセルフ・プロデュース・アルバム『木道』の完成に向けて、宗次郎さんは制作に集中しておられたはずで、すでにサウンドデザインからは独立し、ポリドールへの移籍契約を済ませていたものと推測できる。

 つまり、『フレッシュ・エアー』は、宗次郎さんご自身が関わっていない、ノータッチのところで発売されたアルバムなのではないだろうか?
 一度は、宗次郎さんは、『組曲・日本の四季』のシンセサイザー・アレンジ、もしくは『フレッシュ・エアー』のアコースティック・アレンジのどちらかの伴奏で、オカリナの演奏を録音したはずだが、宗次郎さんのオカリナ・パートの音をそのまま残して、どちらかのアルバムは伴奏部分を再録音し差し替えた上で、CD化されて売られた物であると思われる。(たぶん『フレッシュ・エアー』の方が後ではないかと推測している)

 その辺りのことを考えると、アルバム『フレッシュ・エアー』には、どうしても“大人の事情”が見え隠れする。

 『イメージス』のレビューの総評にも書いたが、宗次郎さんがサウンドデザインから独立し、ポリドールに移籍した際の経緯は、調べても情報が見つからず、触れてはいけないタブーなことなのかもしれないので、書くのはこれくらいにしておこうと思うが、アルバム『フレッシュ・エアー』もしくは『組曲・日本の四季』は、少なくとも前作『イメージス』よりもクオリティーは高く、良曲が収録されているので、多くの人に聴かれることなく、埋もれて行ってしまったことは不憫である。(さらに言うと、『フレッシュ・エアー』のアレンジよりも、『組曲・日本の四季』のシンセサイザー・アレンジの方がクオリティーが高い)

 その後、『フレッシュ・エアー』を除く、サウンドデザイン時代のアルバムは、ジャケットをリニューアルした上で再発売されたが、『フレッシュ・エアー』は再発売されることはなかった。
 『組曲・日本の四季』に関しても、現在ではオークションなどで見つけるか、運よく中古店などで見つける他には入手方法はない。

 『フレッシュ・エアー』のレビューは、『組曲・日本の四季』でのアレンジとの比較・相違も含めて、書きたいと思う。

tag : 宗次郎

宗次郎アルバム第8作『イメージス IMAGES』レビュー

宗次郎オリジナルアルバム第8作
『イメージス IMAGES』
※タイトルをクリックすると、Amazonの商品ページに飛びます

オカリナとシンセサイザーを中心にしたシンプルな作品。ニューエイジ路線回帰作。

発売日:1990.10.25(サウンドデザイン)

プロデュース:南里高世(TAKA NANRI)
作曲:南里高世
共同作編曲:大沢教和、南里元子(⑤)(JASRAC作品データベース表記による)


<レビュー>
①春・せせらぎ
 このアルバムで一番のお気に入りの曲。ゆったりとしたメロディーながら、まさに小川のせせらぎを思わせるかのような、シンセサイザーのアレンジが秀逸。
 春の日差しの中で、川面がキラキラと輝いているような情景が、目に浮かんでくる。
 正直なところ、自分はこの「春・せせらぎ」と、6曲目「花の精」を聴くためだけに、『イメージス』を聴くことが多い。

②冬の雲
 メロディーもアレンジも、それほど個性がなく、あまり印象には残らない曲。
 1曲目が傑作なので、そこからの落差を感じてしまう。(リスナーの好みにもよるとは思うが…)

③そよ風
 ピアノの音が印象的なアレンジの曲。サビのメロディーがキャッチーで親しみやすい。

④秋桜
 さだまさしさんの曲とは無関係。
 ただ、どことなくフォークソングっぽい感じのメロディーの曲だと思う。もし、さだまさしさんと宗次郎さんがコラボしたら、どんな風になるだろうと、勝手に想像したりする。

⑤朝日の中で
 アルペジオ(分散和音)が印象的なアレンジ。
 南里高世さんの奥さん、南里元子さん作曲による曲。…だが、う~ん。このお二人、南里高世さん元子さんご夫妻は、本当に素晴らしいプロデューサーだと思うし、喜多郎さんと宗次郎さんを人気アーティストに育て上げた功績も素晴らしいし、深い敬意も感じるのだが、いざ作曲家として聴いた時には、曲にもよるが、全体的に素人っぽいメロディーラインだなあと思ってしまう。大変失礼な言い方かもしれないが、“芋くさい”感じのメロディーだなあと…。(南里夫妻のファンの方が、もしこの記事を読んでおられるとしたら、本当にごめんなさい)

⑥花の精
 宗次郎さんのオカリナはごく一部のパートのみで、大部分がシンセサイザーの曲。
 だが、ヒーリング系のシンセサイザー音楽として素晴らしい傑作。1曲目の所にも書いたが、「春・せせらぎ」とこの「花の精」を聴くためだけに、このアルバムを聴くことが多い。
 これまでの宗次郎作品では、幻想的な曲調はあったものの、この曲のようなメルヘンチック・ファンタジックなヒーリング曲は無かった。隠れた名曲と言える。

⑦雨
 ピアノの音が印象的。まるで雨粒を表現しているかのよう…。オカリナの対旋律をピアノが奏でるアレンジが秀逸。
 
⑧旅の終わりに
 シンセサイザーの音によるアルペジオ(分散和音)が印象的なアレンジ。
 英語のサブタイトルでは、“The Sunset”となっているが、どこか寂しげな感じもする曲である。


<総評>
 『ハーモニー』『ヴォヤージ』と、ポップ・ロックな作風への志向を強めてきた“南里高世feat.宗次郎”。
 この4作目『イメージス』では大きく方向転換し、原点のヒーリング・ニューエイジ路線に回帰…したのは良かったのだが、傑作と言えるのは、1曲目「春・せせらぎ」と6曲目「花の精」のみで、他の曲は全体的に個性が弱く、強烈な印象はあまり残らないアルバム。
 聴いた際の、高揚感や満足感がもう一つな感じがする。(あくまで好みによるものかもしれないが…。もし『イメージス』が大好きな方がこの記事を読んでおられたら、こんな意見もあるのか…程度で読み流して下さい)
 これはあくまで推測なのだが、宗次郎さんはこのアルバムの頃から、サウンドデザインから独立して、セルフ・プロデュースすることを模索しておられたのではないかと思う。
 元々、宗次郎さんが行いたかった活動は、自分で作曲した曲を演奏することだと思う。(『グローリー・幸福』のように)
 なので、『フォレスト』以降の本作『イメージス』に至るまで、南里高世さんが作った曲しか演奏させてもらえず、いくら自分を育て上げてくれた恩義があるとはいえ、自分で曲を作りたい、自分の曲を吹きたいという不満が、溜まっていったのではないかと思う。(その心情は、自分自身も曲作りをする身として、痛いほどわかるし、その気持ちは想像できる)
 実際のところ、オカリナの音色の魅力を、最大限に引き出したメロディーを作るという点では、南里高世さんよりも、宗次郎さんの方が作曲能力は上だと断言できる。(サウンドデザイン時代のアルバムと、『木道』以降のアルバムを聴き比べれば、一目瞭然と思う)
 宗次郎さんは、自分ならこんなメロディーにする、自分ならこんな曲を書くと思いながら、南里さんが作った曲を演奏されていたのではないだろうか。
 この辺りの、宗次郎さん独立に至るまでの経緯は、宗次郎さんのホームページにも、サウンドデザインのホームページにも載っておらず、調べても情報は出てこないので、わりと触れてはいけない、タブーなことなのかもしれない。
 ただ、この『イメージス』からは、『心』や『フォレスト』の頃のような、モチベーションの高まりを曲からは感じられないので、そのような背景があるのではないだろうかと、聴く度に考えてしまう。

☆版権元サウンドデザインのYouTubeチャンネルより(公式動画)
「春・せせらぎ」(1曲目)


「花の精」(6曲目)



☆以下のサイトで、全曲試聴およびダウンロード購入ができます。
レコチョク
amazon


オカリナ奏者宗次郎・CD総目録

tag : 宗次郎

宗次郎アルバム第7作『ヴォヤージ VOYAGE』レビュー

宗次郎オリジナルアルバム第7作
『ヴォヤージ VOYAGE』
※タイトルをクリックすると、Amazonの商品ページに飛びます

前作『ハーモニー』から進化し、ロックな風味も感じさせる意欲作。

発売日:1989.10.25(サウンドデザイン)

プロデュース:南里高世(TAKA NANRI)
作曲:南里高世
共同作編曲:大沢教和(JASRAC作品データベース表記による)


<レビュー>
①ヴォヤージ
 プロローグ的なシンセサイザー曲。
 喜多郎さんばりの、風のSE(効果音)や広がりを感じさせるパッド音が心地よい。途中、高音の笛っぽい音が効果音的に入るが、宗次郎さんのオカリナではなく、シンセのホイッスル系の音と思われる。
 幻想的・瞑想的な雰囲気の曲。

②風の大地
 1曲目の静寂を打ち破るかのようなエレキギターの音に、初めて聴いた時は、飛び上がるくらいにびっくりしたのを覚えている。
 スピード感のある激しいドラムのビートに乗って、宗次郎さんのオカリナ・ソプラノ管の高音が、吹き抜ける風を思わせるようなメロディーを奏でる。
 『大黄河Ⅱ』のレビューの際、「水舞竜」を宗次郎POPと表現したが、この曲はまさに、宗次郎ROCKと言うべきか。
 宗次郎作品全曲の中でも、「風の大地」は最も激しいタイプの曲と言える。宗次郎=癒し系音楽と思っている方は、この曲を聴けば、間違いなくイメージが変わるだろう。
 メロディーの出だしの所が、のちの「水心」とちょっと似ている。

③ハイランド
 前曲「風の大地」で興奮した精神を、鎮静するかのようなバラード。
 サビのメロディーがとても印象的。“ハイランド”は、高原とか山岳地方という意味だと思うが、割りと低音が強めのアレンジで、重厚感がある。

④季節の詩
 3曲目と雰囲気が似ているので、たまに聴くと、どっちが「ハイランド」でどっちが「季節の詩」だったか、忘れてしまうことがある。
 この曲も、サビのメロディーが中々キャッチーな曲である。
 シンセのパーカッション音が効果的に配されたアレンジとなっている。

⑤オータム・ウィンド
 このアルバムで一番のお気に入りの曲。なおかつ、南里高世さんが作曲された宗次郎作品の中では、この曲が一番好きだったりする。 
 タイトル通り、まさに風をイメージできる名曲。6拍子系のメロディーが印象的で、秋の哀愁を感じさせつつも、天空へと吹き抜けていくようなサビのメロディーが秀逸。

⑥エアー
 オカリナとアコースティック・ギターをメインにしたアレンジなので、シンセ系サウンドが多いこのアルバムの中で、清涼剤的な役割を果たしている。
 このアルバム『ヴォヤージ』の曲は、サビのメロディーが印象的な曲が多いが、「エアー」もそのタイプ。
 オカリナの音色の持ち味を、とてもよく活かした良曲。

⑦フォーリング・スター
 このアルバムの中では、割りと平凡な感じのメロディーなので、印象が弱い。
 アレンジは個性があってユニークなのだが、サビのメロディーは別として、Aメロが南里高世さん特有(?)の、素人っぽいメロディーラインの曲と言える。

⑧セイリング
 この曲の方が、7曲目と比較して“星空”や“宇宙”をイメージできるような曲調なので、こちらを「フォーリング・スター」のタイトルにした方が、良かったのではなかろうか?と、聴く度に思う。
 きらびやかなピアノ系の音が、何となく星を連想させるので、そう思ってしまうのかもしれない。ゆったりとしたメロディーが、広大な夜空をイメージさせる。
 ラストはエピローグ的に、1曲目「ヴォヤージ」が流れて終わる。航海の終わりが、また新たな航海の始まりにつながる…そんな、ループするような世界観を、感じさせる構成となっている。


<総評>
 前作『ハーモニー』のポップ路線を受け継ぎつつ、よりロックな作風に進化させた作品。
 ある意味、突き抜ける所まで突き抜けてしまった感がある、“南里高世feat.宗次郎”3作目。
 宗次郎さんが作曲を手がけていないオリジナル・アルバムという意味で、“南里高世feat.宗次郎”と表しているが、その中では『フォレスト』に次いで魅力的な作品。
 ただ、それなりに“クセ”がある作品なので、宗次郎さんのオカリナの音色やアコースティックな響きに癒されたい…と考えているリスナーには不向きな作品。(そういう方には『フォレスト』の方が良いと思う)
 『ハーモニー』に続き、アメリカのベーシスト、ネーザン・イーストがレコーディングに参加しており、「風の大地」では華麗なベース・ワークを披露している。
 ちなみに、このネーザン・イースト。来日した際には、“寧山 東”という名前の名刺を差し出すらしい。なかなかお茶目なお方だ。


☆版権元サウンドデザインのYouTubeチャンネルより(公式動画)
「季節の詩」(4曲目)


「風の大地」(2曲目)
※注:CD収録版とはアレンジが異なる、ライブ演奏版の動画です。



☆以下のサイトで、全曲試聴およびダウンロード購入ができます。
レコチョク
amazon


オカリナ奏者宗次郎・CD総目録

tag : 宗次郎

宗次郎アルバム第6作『ハーモニー HARMONY』レビュー

宗次郎オリジナルアルバム第6作
『ハーモニー HARMONY』
※タイトルをクリックすると、Amazonの商品ページに飛びます

ドラム&ベースに海外アーティストが参加し、リズム・セクションを今まで以上に強化したポップ路線の作品。

発売日:1988.10.25(サウンドデザイン)

プロデュース:南里高世(TAKA NANRI)
作曲:南里高世
共同作編曲:大沢教和、柴田敬一(JASRAC作品データベース表記による)


<レビュー>
①プロローグ
 次曲「サマルカンド」のAメロを、宗次郎さんのオカリナ・ソロを中心にしたアレンジで構成した曲。時間も短く、タイトル通りプロローグ的な曲。

②サマルカンド
 プロローグからそのまま続く感じで始まる。シンセのコード弾きから、ドラムがビート感のあるサウンドを叩き始める頃には、リスナーは、このアルバムが、これまでの宗次郎作品とは趣が異なるものだと強く印象付けられる。“ポップ系”作品の一つ。
ちなみに、サマルカンドは、中央アジア・ウズベキスタンの古都。

③めぐり逢い
 ニューエイジ音楽で「めぐり逢い」という曲名を見ると、どうしても、カナダのピアニスト、アンドレ・ギャニオンの名曲を思い浮かべてしまうが、この曲はそれとは全く無関係。
 とてもメロディアスで美しい曲。前向きな気持ちになれる良い曲であるが、こういう曲調ならば、無理にドラムやベースを入れずに、アコースティックな感じでアレンジした方が、宗次郎さんのオカリナにもよく合うのでは?という感じもする。
 せっかく海外アーティストに演奏参加してもらったので…ということだろうか。

④ヒマラヤン・シーダー
 2曲目と同じく、ポップ系のアレンジがされた曲。
 これは、南里高世さんが作曲したメロディー全般に共通して言えることなのだが、南里高世さんが作曲するメロディーは、どちらかと言うと、必ずしも洗練された、作曲技法的にも“上手い”メロディーというわけではなく、けっこう素人っぽいメロディーラインだったりすることが多々あると思う。(もちろん、全部がそうというわけではないのだが)
 なので、この曲のようなタイプのアレンジだと、人によっては、安っぽい印象の曲と感じてしまうこともあるかもしれない。
 前作『フォレスト』のような、格調のあるタイプのアレンジならば、その辺りの短所を補完できて、バランスがとれるのだが…。

⑤チチカカ湖
 チチカカ湖は、アンデス山脈のペルーからボリビアにまたがる湖。
 アンデスということで、メロディーがフォルクローレ調で、宗次郎さんもかなりケーナ風のサウンドを意識して、演奏されておられるのがわかる。
 ただ、アレンジ自体はフォルクローレ風というわけではなく、シンセやベース・ドラムをメインにした、ポップなアレンジとなっている。このアルバムの中では一番のお気に入りの曲。

⑥アップル・トゥリー
 柴田敬一さんが作曲。
 まるで抒情的なミュージカル・ナンバーや、ラブ・バラードを思わせるような美しい曲。宗次郎さんのオカリナとピアノ伴奏のみというシンプルなアレンジで、美しいメロディーを歌いあげている。
 ドラム・サウンドが続いた後なので、ホッと一息つける、ゆったりとした曲。

⑦ブータンの夢
 ヒマラヤの国ブータンの名がタイトルに入った曲。
 曲調もエスニックな雰囲気で、このアルバムの中では、独特の個性を放っている曲。宗次郎さんのオカリナの音色は、この曲のような民族音楽っぽい曲調に、よくマッチする。

⑧虹のかけ橋
 柴田敬一さんが作曲。とても物悲しい雰囲気の曲。内向的に物思いにふけっているかのような曲調。
 このアルバム前半の、ポップ路線の曲とは対照的で、エピローグ的な意味も込められているのかも。


<総評>
 『心』『フォレスト』の作風を捨てて、ポップなアレンジの路線に入った“南里高世feat.宗次郎”2作目。(このfeat.は、宗次郎さんが作曲に参加されていないという意味で)
 ネーザン・イースト(ベース)、マイク・ベアード(ドラム)と、リズム・セクションに海外アーティストに参加してもらい、非常に気合の入ったポップなアレンジにしようとしているのが分かる。
 ただ、前作までとは作風も音楽性も、がらりと変わっているので、人によっては好みが分かれるかもしれない。
 宗次郎さんのオカリナの音色の、持ち味や特色を活かした、透明感のある静かな癒し系の作品を好む方や、ポップな路線のアレンジが苦手な方には、『ハーモニー』は少し不向きかもしれない。(6曲目「アップル・トゥリー」ならば楽しんでいただけるとは思うが)
 ただ、「チチカカ湖」と「ブータンの夢」は良曲。こういうエスニック・民族音楽色を感じられる曲ならば、宗次郎さんのオカリナの音色の持ち味が、活き活きとしているように思われる。

☆版権元サウンドデザインのYouTubeチャンネルより(公式動画)
「めぐり逢い」(3曲目)


「アップル・トゥリー」(6曲目)



☆以下のサイトで、全曲試聴およびダウンロード購入ができます。
レコチョク
amazon


オカリナ奏者宗次郎・CD総目録

tag : 宗次郎

宗次郎アルバム第5作『フォレスト FOREST』レビュー

宗次郎オリジナルアルバム第5作
『フォレスト FOREST』
※タイトルをクリックすると、Amazonの商品ページに飛びます

ストリングスなどアコースティックな響きをふんだんに取り入れた、癒し度満点の、アコースティック・ニューエイジ路線の傑作アルバム。

発売日:1987.11.25(サウンドデザイン)

プロデュース:南里高世(TAKA NANRI)
作曲:南里高世
共同作編曲:大沢教和、蓮沼健介(⑧)(JASRAC作品データベース表記による)


<レビュー>
①朝の輝き
 ギターやストリングスといった、アコースティック・サウンドが心地よく響き、このアルバムの特徴を印象付け、よく物語っている。
 『グローリー・幸福』以来の、シンセサイザーではなくアコースティック・サウンドがメインとなるアルバムの、トップを飾る良曲。

②精霊の森
 野村證券CM曲。イ短調のメロディーは、4曲目「道」とよく似ているが、この曲の最大の魅力は、イ長調に転調してからの展開。
 秀逸なメロディーとアレンジで、森に木漏れ日が差しているような情景が、目に浮かんでくる。とても美しい曲。
 南里高世さん作曲による、サウンドデザイン時代の宗次郎作品としては、「道」とこの「精霊の森」の2曲が最高傑作。

③ハーモニー
 次作のアルバムのタイトルが「ハーモニー」だが、それとは無関係。
 「ハーモニー」というタイトルは、音楽の和声のことではなく、森や大自然の調和を意味していると思われる。
 ストリングスの対旋律がとても美しく魅力的で、まさにオカリナとストリングスが調和し、至高のハーモニーを奏でている秀逸なアレンジの作品。

④道
 初期のサウンドデザイン時代の代表曲で人気曲。
 比叡山の過酷な修行“千日回峰行”を2度に渡り、満行を達成された高僧・酒井雄哉大阿闍梨に捧げられた曲。
 「道」というタイトルは、この修行の道を表しているのだろうと思うが、この曲を聴く、一人一人の人生の“道”を、優しくそして強く勇気付けてくれるような、感動的なメロディーとサウンドが印象的な傑作。

⑤春風のささやき
 これまでのアルバムにも必ず、1曲は入っていた“さわやか系”の曲。特に本作の場合、アコースティックな響きで奏でられているので、音にやわらかな優しさも加味され、まさに春風に包まれているような感覚の曲。

⑥白嶺
 雄大な広がりを感じさせる美しい曲。
 本アルバムでは、ストリングスをアメリカ・ロサンゼルスで録音しているが、そのストリングスの広がりのあるサウンドを、十二分に堪能できる曲。
 登山で山頂にたどりつき、眼前に広大な風景が広がったときに、もしこの曲が流れれば(実際には流れてきたりはしませんが…)登頂の感動が倍増しそうな気がする。

⑦悲しみの果て
 出だしのメロディーが、のちの『ヴォヤージ』の「エアー」の出だしと似ている。
 高校生の頃、宗次郎さんの音楽にそれほど詳しくない友人が、なぜかこの曲を知っていて、不思議に思ったのだが、友人の話から、志村けんさんの番組で使われていたらしいと知った。
 自分自身、お笑い番組は見ない人間なので、詳しくはなかったのだが、番組内のシリアス無言劇のBGMで使われていたらしい。

⑧ムーン・ライト
 夜想曲という言葉がぴったりの、静かで叙情的な美しい曲。
 オカリナとピアノのみという非常にシンプルなアレンジ。後年の『オカリーナの森から』の「森に還るⅡ」を彷彿させる雰囲気の曲。
 ちなみに、このアルバムには、キーボードで蓮沼健介さんが参加されておられる。先述の『オカリーナの森から』の他、最近の作品や現在のコンサート活動で、ピアノ・キーボードや編曲を担当されておられるお方である。


<総評>
 宗次郎さんの初期サウンドデザイン時代の後半の作品となる、この『フォレスト』から『フレッシュ・エアー』までは、宗次郎さんは作曲には携わらず、主にプロデューサーの南里高世さんが作曲を手がけておられる。
 宗次郎さんはオカリナ演奏者としてアルバムに参加し、オリジナル・アルバムではあるものの、事実上は“南里高世featuring宗次郎”と言った方が正確かもしれない。(次に宗次郎さん自身の作曲作品が聴けるのは『木道』を待たねばならない)
 とは言え、この『フォレスト』はサウンドデザイン時代の中で、ずば抜けて大傑作のアルバム。
 全曲を通じて、心地よいアコースティック・サウンドがあふれ、まさに“音の森林浴”ができる、癒し度満点の作品。
 アレンジも、普遍性を感じられるアレンジなので、時代性や流行性を超越し、古さは微塵も感じられない。
 前作『心』とこの『フォレスト』が、サウンドデザイン時代の宗次郎作品の最高峰。
 次作『ハーモニー』以降は、やや“クセ”があるので、初期の頃の宗次郎さんのCDで、静かで優しいオカリナの音色に癒されたいという方は、『心』と『フォレスト』の2枚を聴けば間違いはない。

☆版権元サウンドデザインのYouTubeチャンネルより(公式動画)
「フォレスト」視聴動画


「道」(4曲目)
※注:CD収録版とはアレンジが異なる、ライブ演奏版の動画です。



☆以下のサイトで、全曲試聴およびダウンロード購入ができます。
レコチョク
amazon


オカリナ奏者宗次郎・CD総目録


☆アルバム『フォレスト』より「道」を、ヒーリング・ホイッスルでカバー演奏しました。
YouTubeで公開中です。よろしければ、ぜひご覧下さい。
        ↓
【ヒーリング・ホイッスル】道 TAO~FOREST【宗次郎作品を、ケルトのホイッスルでカバー演奏】
https://www.youtube.com/watch?v=zF666DKkUbo


tag : 宗次郎

宗次郎アルバム第4作『心 KOKORO』レビュー

宗次郎オリジナルアルバム第4作
『心 KOKORO』
※タイトルをクリックすると、Amazonの商品ページに飛びます

「こころ」「雲を友として」など、TV番組のタイアップ曲を含む、初期の名作アルバム。

発売日:1987.5.25(サウンドデザイン)

プロデュース:南里高世(TAKA NANRI)
作曲:宗次郎
共同作編曲:南里高世、坂本昌之、熱田公紀(JASRAC作品データベース表記による)


<レビュー>
①こころ
 NHK「‘87ゆく年くる年」のテーマ曲。
 のちの「木道」「風人」「水心」の自然三部作のアレンジを担当する、編曲家・坂本昌之さんが参加しており、今作が宗次郎さんとの初タッグとなった。
 シンセサイザーを多用したアレンジだが、透明感のある見事なアレンジで、宗次郎さんのオカリナの音色とマッチしており、このアルバムを名作にと押し上げている。
 1曲目「こころ」は、ホ短調の哀しげなメロディーに始まり、ト長調に転調してからの展開が特に美しい。
 苦しみや悲しみを乗り越え平安へと至る、“こころ”のドラマチックな物語を感じさせる。
 余談だが、高校一年生の時に祖母が亡くなった際、葬儀会場でこの曲がBGMとしてかけられていた。葬儀屋さん、中々センスがいいなと思った。
 「こころ」を聴くと、その頃のことや、優しかったおばあちゃんのことが思い出される…。

②四季~愛しき子供たちへ~
 日本香堂「毎日香」CM曲。
 曲の構成、雰囲気が1曲目と非常によく似ている。特にサビのメロディーは「こころ」の別バージョンかと思えるほどに似ている。
 途中の、オカリナのラーソファミードーレーという所の、オカリナとシンセの絡みが好き。

③清流
 イントロの、水の雫をイメージしているかのような、透明感のあるシンセサイザー・サウンドが印象的。タイトル通り、清涼感あふれる、さわやかな優しい曲。
 JRの発車メロディーとして使われていたらしい。(鶴岡駅など)

④思い出の小箱
 熱田公紀さんが作曲。郷愁感あふれる美しい曲。
 オカリナ・アルト管による主旋律も美しいのだが、途中の、オカリナ・ソプラノ管が副旋律を担当する間奏部もまた美しい…。

⑤若葉の頃
 どこか切ない雰囲気の曲。若葉というのは、青春時代の比喩だと思うが、叶わなかった初恋の悲哀を思い出しているかのよう…。
 オカリナ・ソロから始まるアレンジはすごくいいと思うが、曲調の面で、どうしても4曲目とかぶってしまう。
 1・2曲目もそうだが、よく似たそっくりな曲調・雰囲気の曲は、続けずに少し話してアルバムを構成した方が良かったのでは?という気も、いささか感じる。

⑥雲を友として
 大自然の偉大さを感じさせる名曲。テレビ朝日「ニュースステーション」番組内のコーナー“立松和平 心と感動の旅”テーマ曲。
 上行形のメロディーが展開していくさまは、力強い。Bメロは特に秀逸で、雲間から光が差すような、幻想的で美しい光景が目に浮かぶよう。
 シンセサイザーによる間奏部も非常に美しい。
 素晴らしいメロディーライン・アレンジ・演奏と、三拍子そろった傑作。

⑦地平線
 テレビ朝日「終着駅・ロマン紀行」テーマ曲。
 このアルバムの中で、最もPOPな雰囲気を持つ曲。地平線の彼方を目指して、翼を広げて羽ばたいて行くようなイメージの曲。ドラムのビートが心地よく響く。

⑧光のなかで
 ピアノの分散和音がとても印象的なアレンジ。美しく清らかな雰囲気の曲。
 タイトル通り、温かな日差しに包まれているような、優しい気持ちになれる作品。癒し系とされる宗次郎サウンドの真骨頂と言ったところ。

⑨大地の神
 日本テレビ「Time21」挿入曲。とても力強くカッコいいメロディーの曲。
 シンコペーションを多用した推進力のあるメロディーが印象的。
 雄大さと同時に、自然・大地の持つ力強さも感じさせるような曲。


<総評>
 TVのタイアップ曲を多く含み、一曲一曲のクオリティーが非常に高い名作。
 80年代の初期の頃のアルバムの中で、オカリナ+シンセサイザーのスタイルの、ニューエイジ路線のアルバムとしては、最高傑作と言える作品。
 サウンドデザイン時代のアルバムとしては、宗次郎さんが作曲を手掛けた最後のアルバム。(次作『フォレスト』から『フレッシュ・エアー』は南里高世さん作曲による作品で、ある意味“南里高世feat.宗次郎”と言える)
 次に宗次郎さんの作曲作品を聴けるのは『木道』を待たねばならず、そういう意味では、初期サウンドデザイン時代において、宗次郎さんが作曲を手掛けたアルバムの最高峰と言える。
 Wikipediaによると、このアルバムの中から「清流」「雲を友として」「こころ」「四季~愛しき子供達へ~」が、JR東日本・JR西日本の発車メロディー&入線メロディーに使われていたことがあるらしい。
 ちなみに、ジャケットのタイトル“心”の書は、次作『フォレスト』の「道」に関係している、比叡山の高僧・酒井雄哉大阿闍梨によるもの。(再発売版ではなく最初に発売された1987年版のジャケット)


☆以下のサイトで、全曲試聴およびダウンロード購入ができます。
レコチョク
amazon


オカリナ奏者宗次郎・CD総目録

tag : 宗次郎

宗次郎アルバム第3作『大黄河Ⅱ』レビュー

宗次郎オリジナルアルバム第3作
『大黄河Ⅱ』
※タイトルをクリックすると、Amazonの商品ページに飛びます

NHKの大型番組、NHK特集『大黄河』のサントラ・アルバム第2集。

発売日:1986.10.25(サウンドデザイン)

プロデュース:南里高世(TAKA NANRI)
作曲:宗次郎
共同作編曲:南里高世、熱田公紀(JASRAC作品データベース表記による)


<レビュー>
①黄河紀行
 ゆったりとした黄河の流れを感じさせるような、雄大でスケール感のある曲。
 悠久の歴史をも感じられるようなサウンドで、もうひとつの大黄河テーマ曲と言っても、過言ではないと思われる作品。

②異境の民
 厳しい自然の中で、懸命に生きている少数民族の人たちへの応援歌といった趣。
 イ短調のメロディーながら、どこか力強さを感じさせる旋律。アレンジ面では、しっかりとしたドラムのビートが、メロディーの力強さを強調させている。

③仏陀道
 シンセサイザーのみの曲。宗次郎さんのオカリナはなし。
 曲の前半はおだやかだが、後半はいささかリズミカルな感じ。タイトルからすると、荘厳な感じの曲をイメージしそうだが、中々ポップな感じでユニークなシンセ曲。

④黄河文明賛歌
 どこか幽玄な雰囲気が漂う曲。かつて栄えたものの滅亡していった文明への哀歌といったところか。黄河をテーマにした曲ではあるが、この曲を聴くと、晩秋の古都で、色づいた紅葉がはらはらと、落ち葉を散らしているような、そんな情景が目に浮かんでくる。

⑤惜別詩
 物悲しい雰囲気のメロディー。
 全体的に個性がやや乏しい曲なので、もうひとつ印象が残りにくい。

⑥大黄河
 メイン・テーマのスロー・バージョン+洛陽のテーマ。
 オープニングのバージョンのアレンジでは、オカリナをアルトからソプラノに持ち替えて、広めの音域を演奏する形になっているが、この“アンダンテ・バージョン”は、アルトC管1本で演奏できるようにアレンジされている。
 後半は「洛陽」という曲のメロディーを奏する。この「洛陽」という曲は、当アルバムなどサントラ盤には収録されず、後に発売された『大黄河ベストセレクション』に収録されている。

⑦水舞竜
 初期のサウンドデザイン時代の曲の中で、アルバム『Voyage』の「風の大地」と並ぶ、ビート感あふれる曲。宗次郎POPとでも言うべきか。
 まさにドラゴンが黄河の上空で乱舞しているかのような、躍動感あふれる作品。
 宗次郎=静かな癒し系の音楽、と思っている方は、この曲のようなタイプの宗次郎作品を聴くと、イメージが変わるかも?
 もっとも、当の宗次郎さんご自身は、結構、アップテンポな曲もお好きなのだとか。(TV出演時の談話より)

⑧栄華回顧録
 ハープシコードのような音が印象的で、哀愁ただよう曲。
 このアルバムは、黄河の光と陰が、一つのテーマとなっている気がするが、4曲目とともに、この曲も滅亡した黄河文明という、陰の部分を感じさせる。

⑨日向流水
 前作の「天清流」や「陽春麓」と同じ路線の、優しいメロディーが魅力的な曲。
 とても愛らしい雰囲気のメロディーとアレンジで、可憐に咲いた野の花をイメージさせるような、さわやかで美しい曲。

⑩遥かなる渤海
 黄河の旅の終わりの渤海を描いた曲だが、この曲を聴いていると、なぜだか星空をイメージする。夜空に輝く満天の星空を、見上げているようなイメージ。


<総評>
 前作『大黄河』サントラ第1作と比べて、2作目となる本作は、よりダイナミックなサウンドだったり、黄河の歴史をより深く描いていたりと、ひと皮むけた感がある。
 曲調についても、第1作よりもバラエティーに富んでおり、『グローリー・幸福』でデビューしたばっかりだった宗次郎さんが、『大黄河』という大型番組の音楽を担当することを経て、音楽家・アーティストとして大きく成長されたことがうかがえる。
 そして、サウンドデザイン時代屈指の名作である、次作『心 KOKORO』を生み出すことになる。

☆版権元サウンドデザインのYouTubeチャンネルより(公式動画)
「異境の民」(2曲目)


「水舞竜」(7曲目)
※注:CD収録版とはアレンジが異なる、ライブ演奏版の動画です。



☆以下のサイトで、全曲試聴およびダウンロード購入ができます。
レコチョク
amazon


オカリナ奏者宗次郎・CD総目録


☆「大黄河」のテーマを、ヒーリング・ホイッスルでカバー演奏しました。
YouTubeで公開中です。よろしければ、ぜひご覧下さい。
        ↓
【ヒーリング・ホイッスル】大黄河【オカリナ奏者・宗次郎作品を、ケルトのホイッスルでカバー演奏】
https://www.youtube.com/watch?v=q-kpiYvUeRw

tag : 宗次郎

たった一人の、春日野音楽祭:春日山原始林ステージ

たった一人の、春日野音楽祭。

15057281150.jpeg

 今日、春日山原始林に行ってきました。
 春日山の森の中で、ホイッスルの演奏を自然に捧げました。

15057281300.jpeg

 台風で中止となった、昨日の春日野音楽祭で演奏するはずだった曲、九曲と自分でアンコール一曲を演奏しました。
 ただひとりの春日野音楽祭・春日山原始林ステージです。

 春日山の遊歩道は、誰も歩いておらず、観光客もいませんし鹿一匹いませんでした。(イノシシ注意と書いてありましたが…)
 ただ、森の中を流れるせせらぎの音と、涼しい山の風が吹いている、それだけの空間でしたが、自分にとっては最高のライブ会場でした。

 マイナスイオンに包まれて、笛の演奏ができました。

15057281440.jpeg

 帰りに春日大社の社務所に寄って、春日野音楽祭実行委員会の方にお会いできました。昨日の台風は、とても残念なことでしたという話と、来年は無事に開催されることを願っていますとお伝えできました。

15057281930.jpeg

※春日山遊歩道の入り口から少し離れた所の藁葺き屋根の家。
やっぱり、藁葺き屋根は風情があっていいですね!
15057281760.jpeg

※山を下りてきたら、日暮れが迫っていました。
夕暮れの飛火野。鹿もちょっと寂しげ。
15057282390.jpeg

tag : 春日野音楽祭

最新記事
カテゴリ
プロフィール

アシタツ Ashitatsu

Author:アシタツ Ashitatsu
音楽家:作曲家、ヒーリング・ホイッスル奏者、キーボード奏者

【演奏楽器】
ティン・ホイッスル
ロー・ホイッスル
キーボード・シンセサイザー

1977年生まれ。
大阪府出身。
大阪芸術大学音楽学科卒業。

ヒーリング・ホイッスル(ケルトのホイッスルによる癒し系音楽)の楽曲制作・演奏を中心に活動。

◎専門音楽ジャンル:ヒーリング・ニューエイジ

◎歴史・史跡巡りが趣味

◎大阪府の郊外(奈良県寄りの田舎の方)在住。

◎オリジナル曲での主なテーマ:近畿・北陸の自然や歴史をテーマにした作品。
(自身は大阪府出身の関西人だが、母方の家系が福井県出身で、2分の1北陸人の血が流れていると自負)

◎尊敬する影響を受けた音楽家:宗次郎、喜多郎、姫神(星吉昭)、久石譲など

※メッセージ、お問い合わせ、ご依頼等ございましたら、下記メールフォームをどうぞご利用ください。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

検索フォーム
フリーエリア
QRコード
QRコード
月別アーカイブ